宮島未奈さんの著書「成瀬は天下を取りに行く」をAudible(オーディブル)で聴く読書した感想です。2024年の本屋大賞大賞受賞作品です。
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なぜ「成瀬は天下を取りに行く」をAudible(オーディブル)で聴いたのか?
本を読む(聴く)きっかけというのはたいてい些細(ささい)なことです。わたしが「成瀬は天下を取りに行く」をAudibleで聴いてみようと思ったのは以下のような理由です。
・本屋大賞にノミネートされていた(大賞受賞発表前)ので、なんとなくタイトルと表紙の絵を目にしていました。どんな話なのかなと気にはなっていました。
・しかも著者が地元出身の方だったのです。著者の宮島未奈さんは静岡県の出身ですと地元のニュースや新聞などでもときどき取り上げられていました。地元の方の本ならなおさらちょっと読んでみようかな
・表紙の女の子の凛とした立ち姿とタイトルに惹かれたというのもありました。自分の進むべき道をしっかりと自分の目で捉えているような表情がいいです。
・ちょうどAudibleで配信が始まったばかりでした。話題の成瀬がもう聴けるの?とちょっと驚きました。これは聴くしかない!という気持ちになりました。
「成瀬は天下を取りに行く」本の情報
書籍の情報
単行本および電子書籍情報です。
作品 | 成瀬は天下を取りに行く |
著者 | 宮島未奈 |
出版社 | 新潮社 |
発売日 | 2023/3/17 |
表紙イラストは人気イラストレーター・ざしきわらしさんによるものです。
オーディオブック情報
聴き放題対象 | ◯ |
配信日 | 2024/4/5 |
再生時間 | 5時間4分 |
ナレーター | 鳴瀬まみ |
単品購入価格 | 3,000円(会員は2,100円) |
「成瀬は天下を取りに行く」はAudibleの聴き放題対象です。初めての方なら無料で聴くことができます。再生時間は約5時間です。1日2時間程度聴く方なら3日で聴くことができます。ナレーションは鳴瀬まみさん、字は違いますが「なるせ」さん、とても聴きやすかったです。
2024本屋大賞作品が8作品もAudibleの聴き放題対象です。(「成瀬は天下を取りに行く」「水車小屋のネネ」「スピノザの診察室」「レーエンデ国物語」「黄色い家」「リカバリー・カバヒコ」「放課後ミステリクラブ 1 金魚の泳ぐプール事件」)
「成瀬は天下を取りに行く」のあらすじ
2020年コロナ禍まっただなかに、中2の夏休みを迎えた成瀬あかりは、閉店を控える西武大津店に毎日通うことを幼馴染の島崎に宣言した。滋賀県大津市膳所から始まる琵琶湖青春ストーリー。成瀬あかりと成瀬あかりを取り巻く世界は、どこかいとおしく微笑ましい。
クスッと笑えて元気なる、そんなお話です。
「成瀬は天下を取りに行く」の感想
「成瀬あかりは立ち姿がかっこいい」
成瀬あかりはなんかかっこいいんです。なにがかっこいいのか?一言でいえば「立ち姿」です。そう、これは表紙の絵にも通じるのですが、この「立ち姿」がいいのです。前向きに挑戦するところ、周りに合わせて自分を偽らないところ、自分を貫くところ、人に媚びないところ、それなのに肩肘張ってないところ、自然なところ、真っ直ぐなところ。そんな「立ち姿」がかっこいいです。
どうしてあんなふうに立っていられるんだろう。成瀬の立ち姿を思い浮かべるだけで成瀬はすごいと思ってしまいます。
「成瀬に会ったことがあるかも!?」
最初「こんな中学生現実にはいないよな」と思いました。でも読み進めていくに、ふと小学生の時にクラスに転校してきた女の子のことを思い出しました。ちょっと変わっていて、そのせいでクラスの中でちょっと浮いてしまって、でもわたしはわたしみたいな立ち姿が成瀬に似ていたかも。当時はなんか変わった子だな、ちょっと仲良くなってみたいなと思っていたのですが、きっかけがつかめずに特に仲良くもなれずに大人になりました。全然そんなこと忘れていたけど、そんな忘れていたことを思い出させてくれました。もしも自分が小学生の時出会っていた成瀬みたいな子ともっと仲良くなれていたら、そんなありえなかった可能性を考えてみるだけでちょっとうれしくなりました。
実際成瀬みたいになりたい!という人は多いのではないでしょうか。あんなふうに強くありたい。人からどうみられようと動じることなくまっすぐに前を向いて自分らしく生きたいと。女性だけでなく、男でも成瀬みたいになりたいという気持ちはわかります。
一方で成瀬はどうしてこういう風になったんだろう?成瀬あかりはどのように育って、成瀬あかりになっていったんだろうというところは謎です。今後の作品でそういうところが描かれるのかはわかりませんが、個人的には期待しています。ただ成瀬あかりは生まれたときから成瀬あかりなのかもしれません。
「相方の島崎がいい」
「成瀬は天下を取りに行く」の魅力は成瀬あかりだけじゃない。相方の島崎がまたいいんです。島崎は成瀬の幼馴染みであり、親友であり、漫才コンビの相方でもあり、「成瀬あかりをみていたい」と成瀬に熱いのです。この島崎が成瀬を見る目線は読者の目線と似ています。島崎の感じ方はとても共感できるんです。
そしてなんとなく吉本ばななのTSUGUMIを思い出した。TSUGUMIとは全然キャラが違うしTSUGUMIがどういう話だったかあまり覚えてないのですが、なんとなく語り手の女の子がTSUGUMIというちょっと変わった女の子のことを描写していく感じが似てるかもと思いました。
「クスッと笑える」
小説を読んでてクスッと笑えることってあんまりありません。これはプロのナレーターのすばらしい朗読のおかげもあるのでしょうが、わたしは何度かクスッと笑ってしまいました。具体的場面はネタバレになりそうなのでやめておきますが、数か所あります。
大笑いするわけではないし、ものすごい大どんでん返しがあったり、あっと驚くような展開があるわけでありません。でも「成瀬は天下を取りに行く」を読んだら(聴いたら)、クスッと笑えて元気になります。これは間違いと思います。
そしてあなたも、人生のどこかで成瀬あかりに出会ったことがあるかもしれないと思い出すかもしれません。
「成瀬は天下を取りに行く」はこんな人におすすめ!
若い人から40代、50代くらいまでの幅広い世代の方、そして男女問わず共感できる物語だと思います。ちょっと落ち込んだり、悩んだりしている人、今元気がでないという人はぜひ読んでみてください。成瀬に元気をもらえると思います!
それって本当?成瀬あかりの噂話
滋賀県の次に盛り上がっているのは静岡県って本当?
「成瀬は天下を取りに行く」が本屋大賞を受賞したこともあり、作品舞台となっている滋賀県大津市は大きく盛り上がっているのはご存知かと思います。おそらく滋賀県の次に盛り上がっているのは、作者の宮島未奈さんの出身県である静岡県ではないかと思います。宮島未奈さんは静岡県富士市出身です。「成瀬は天下を取りに行く」は、本屋大賞受賞前の2023年12月に第11回静岡書店大賞をとっています。
第11回静岡書店大賞「小説部門」大賞は『成瀬は天下を取りにいく』(宮島未奈/新潮社)に決まりました!宮島未奈さんにお言葉を頂戴しました。富士市出身の宮島さん、この野球のユニフォームのようなお召し物の秘密は、ぜひ受賞作を読んでいただきたいと思います! pic.twitter.com/nQYp1iXyv2
— 静岡書店大賞bot (@sst_bot) December 5, 2023
ちなみに宮島さんは静岡県立富士高出身だそうです。富士高と言えば、静岡県東部一の進学校で偏差値はかなり高いです。そして大学は京都大学の文学部を卒業されています。
出身校がかるた強いらしいとは知っていたが、名門ということまでは知らなくて、百人一首の先生に「静岡の富士高ってご存知ですか」と言ってしまったことがあるのだが、これって高校野球に超詳しい人に「智弁和歌山ってご存知ですか」って言うのと同じことだったのではないかと、今でも恥ずかしい
— 宮島未奈 (@muumemo) July 27, 2018
静岡県でしか読めない短編があるって本当?
実は「成瀬は天下を取りにいく」には、静岡でしか手に入らない短編が存在します。静岡書店大賞受賞記念として書かれた書き下ろし掌編「駿府さんぽ」です。静岡限定の帯もあります。
『成瀬は天下を取りにいく』が静岡書店大賞の小説部門1位になり、静岡限定の帯ができました。帯の内側にあるQRコードを読み込むと、書き下ろし掌編「駿府さんぽ」が読めます。ぜひ静岡県内の書店でお買い求めください #成天 pic.twitter.com/hx2iY8mnFB
— 宮島未奈 (@muumemo) December 6, 2023
本屋大賞に輝いた『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社)は、昨年12月に静岡書店大賞も受賞しました。
— 走る本屋さん 高久書店 (@books_takaku) April 13, 2024
当店では、その時、作者の宮島未奈さんが受賞記念で書いてくれた掌編小説『#駿府さんぽ』をずっと店頭で配っています。成瀬と島崎が静岡にやって来るという設定!
読んでみたい方は、是非是非♪ pic.twitter.com/wAlo4W51yF
成瀬あかりの手相は「ますかけ線」って本当?
「成瀬は天下を取りに行く」の本の表紙絵は、人気イラストレーターのざしきわらしによるものです。この表紙絵は口元を隠すように軽く握られた成瀬の手があります。手のひら側が正面側で掌と成瀬の手相が少し見え隠れしています。
著者の宮島未奈さんは、掌を描くのであれば「成瀬の手相はますかけ線でお願いします」とおっしゃったとか。「ますかけ線」とは、天下取りの相とも言われる感情線と知能線が一体化して、1本の線として手のひらを横切る形で出ている手相です。この相を持っている人は、粘り強い性格、天才肌、強運の持ち主などと言われています。成瀬らしい手相ですね。ちなみにこの情報は「成瀬は天下を取りに行く」の担当編集者の方がテレビ番組で語っていました。
成瀬シリーズ第3弾の舞台は京都って本当?
成瀬シリーズ第2弾「成瀬は信じた道をいく」はすでに発売中です。現在著者は成瀬シリーズ第3弾を執筆中らしいです。京都が舞台になりそうだと担当編集者の方がテレビ番組で語っていました。楽しみです!
「成瀬は信じた道をいく」も、Audibleの聴き放題で聴けます。初めての方なら無料で聴くことができます。
こちらは成瀬シリーズ第2弾です。Auidibleの聴き放題対象(2024/5/31配信予定)です。
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「成瀬は天下を取りに行く」を含む2024年の本屋大賞作品7冊がAudibleで聴き放題です。
本屋大賞第2位「水車小屋のネネ」の読書記録はこちら。
本屋大賞第4位「スピノザの診察室」の読書記録はこちら。
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