夏川草介さんの著書「スピノザの診察室」をAudible(オーディブル)で聴く読書した感想です。2024年の本屋大賞大賞第4位の作品です。
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なぜ「スピノザの診察室」をAudible(オーディブル)で聴いたのか?
本を読む(聴く)きっかけというのはたいてい些細(ささい)なことです。わたしが「スピノザの診察室」をAudibleで聴いてみようと思ったのは以下のような理由です。
・本屋大賞にノミネートされていたので、なんとなく気になっていました。
・タイトルが気になっていたというのもあります。「スピノザ」って何?というか人の名前なの?で、誰?みたいな感じです(笑)。
・母親が読んでいて面白いよとすすめられたんです。うちの母はこういう医療小説が好きみたいでよく読んでいます。高齢なので、病気とか死とかこういう話題がわたしよりも身近に感じているんだろうなと思います。その母から「よかったよ」とすすめられました。
・この流れだと母から本を借りて読んだ、となりそうですがそうではありません。うちの母は読んだ本はすぐにメルカリで売ってしまうので本は手元にありませんでした。そんなときちょうどちょうどAudibleで配信が始まったんです。それならAudibleで聴いてみよう!となりました。
「スピノザの診察室」本の情報
書籍情報
単行本、電子書籍の情報です。
作品 | スピノザの診察室 |
著者 | 夏川草介 |
出版社 | 水鈴社 |
発売日 | 2023/10/27 |
オーディオブック情報
オーディオブック情報です。
聴き放題対象 | ◯ |
配信日 | 2024/04/10 |
再生時間 | 8時間7分 |
ナレーター | 吉野貴大 |
単品購入価格 | 3,000円(会員は2,100円) |
「スピノザの診察室」はAudibleの聴き放題対象です。初めての方なら無料で聴くことができます。再生時間は8時間ほどです。1日2時間くらい聴く方なら4日くらいで聴き終わります。ナレーションは吉野貴大さんという声優の方です。とても落ち着いた声で、作品イメージにぴったりでした。
2024本屋大賞作品が8作品もAudibleの聴き放題対象です。(「成瀬は天下を取りに行く」「水車小屋のネネ」「スピノザの診察室」「レーエンデ国物語」「黄色い家」「リカバリー・カバヒコ」「放課後ミステリクラブ 1 金魚の泳ぐプール事件」)
「スピノザの診察室」のあらすじ
亡くなった妹の息子を引き取るために、大学病院での地位を捨て京都の小規模病院に勤務する医師の物語。末期ガンなど深刻な状態にある患者とどう向かい合うのか、生きるとは?死ぬとは?看取るとは?そして幸せとは?神様のカルテシリーズの著者が放つ、人の命の在り方を描いた医療小説です。
「スピノザの診察室」の感想
「医療小説初挑戦」
医療小説は同著者の「神様のカルテ」すら未経験で、今回Audibleで初挑戦でした。わたしが医療小説を敬遠していたのは、しみったれた話があまり好きではないからです。読書するなら明るくなれるお話、元気をもらえる物語がいいです。なので病がどうとか、あそこが痛いとか、手術がなんたらというお話はなんというか暗い気持ちになりそうなので敬遠していました。
でも安心してください。その点で「スピノザの診察室」は大丈夫です。
この物語は元気をもらえます。生きることに前向きな気持ちになれます。
「スピノザの哲学」
スピノザというのは哲学者です。わたしは名前を聞いたことがあるようなないような程度でした。スピノザがどういう哲学者なのかは、今持ってよくわかっていませんが、主人公の雄町哲朗が彼の考えを代弁してくれます。
「世界はどうにもならないことが溢れている。意思や願いや祈りでは世界は変えられない」
21世紀になっても近しい隣人とも言えるような国同士や民族の間で戦争が起きています。感染症によってたくさんの人がなくなり、人は病からは逃れられません。世の中は個人の力ではどうにもならない恐ろしいことで溢れています。
願いや祈りで世界を変えることはできないと言われたら、そこには絶望しかないように思えます。
希望なんてどこにもないと途方にくれてしまいます。毎日毎日暗いニュースばかり、世の中は、未来は悪くなっていく一方のように思えます。未来に希望を持てなくなっている。
「世界どうにもならないことが山のように溢れているけれど、それでもできることはあるんだ。」
と彼は力強く行動で示してくれます。
「わたしたちにできることは・・・」
ではわたしたちには何ができるのでしょうか。戦争や災害を止めることはできません。病も死も誰の身にも必ずやってくるものです。
人に死に対して、他人ができることがあるでしょうか?
スピノザ雄町哲朗はこう言います。
「わたしたちにできることは・・・暗闇で凍える隣人に外套をかけてあげることなんだよ」
自分はどう向き合うのか?
若い頃は自分が年老いて動けなくなったり、まして自分に死がやってくるなんてことは想像すらしませんでした。しかし年齢とともに病院に通う機会も増えました。近しい人の死や大きな病気に接することもあります。老いも死も、誰にも平等にやってくる未来です。
身近な人の死、自分の死、そして生きるということ、幸せとは?
「スピノザの診察室」は、そのことをを否応なしに考えさせられる物語です。自分はどう向き合うとのか?どう折り合いをつけるのか?
でもそれは、いやいや感がさせられるのではありません。静かに穏やかに考えてみようという気持ちになるのです。そういう優しさに溢れた物語でした。
「スピノザの診察室」はこんな人におすすめ
「スピノザの診察室」はこんな人におすすめです!
生き方や何かに悩んでいる人、自分の死や身近な人の死について考えている人、未来に悲観している人、そういう方はぜひ「スピノザの診察室」を読んでみてください!または聴いてみてください!
というか死なない人間はいないので、すべての人に読んで欲しい、聴いて欲しい作品です。
スピノザの診察室は続編があるようです。次回作も楽しみにしてます。
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本屋大賞受賞「成瀬は天下を取りに行く」の読書記録はこちら。
本屋大賞第2位「水車小屋のネネ」の読書記録はこちら。
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