
町田そのこ著『52ヘルツのクジラたち』のあらすじ、おすすめポイント、読後感、どんな人に向いているか、についてまとめます。一言でまとめると、雨上がりの少し明るくなった空のような、静かに息ができる優しい物語です。
「テーマが重そう」「読んだらつらくなりそう」
そう思って、手に取るのを迷っている人は少なくないはずです。
でも、先に結論を言います。
町田そのこ著『52ヘルツのクジラたち』は、
暗さを押しつける本ではありません。
読み終えたあと、静かに胸の奥で深呼吸できる物語です。
また『52ヘルツのクジラたち』は、Audible(オーディブル)の聴き放題対象です。文字で読むのがつらいテーマでも、声で聴くと不思議と心にやさしく入ってくる作品です。
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町田そのこ著『52ヘルツのクジラたち』とは?
町田そのこ著の小説 『52ヘルツのクジラたち』 は、日本で大きな話題を呼んだヒューマンドラマ作品です。
2021年本屋大賞を受賞した評価
2021年の本屋大賞第1位に選ばれ、書店員や読者から高く評価されました。これによって話題が広がり、幅広い層の読者に手に取られ、累計出版部数が100万部を突破するベストセラーになっています。
社会的テーマへの共感
虐待、家庭内暴力、ヤングケアラー、孤独といった現代社会が抱えるテーマを織り込みつつ、批判ではなく人の再生に焦点を当てた物語として読者の心に響きました。
映画化による注目度アップ
2024年の映画化によって原作の人気が再燃し、原作小説の認知も広まりました。
杉咲花主演、成島出監督で映画化。岡田安吾(アンさん)を志尊淳、新名主税を宮沢氷魚、牧岡美晴を小野花梨、「ムシ」と呼ばれる少年を桑名桃李が演じています。
杉咲の高い演技力、完成度の高い内容で大きな話題を呼びました。
あらすじ(ネタバレなし)
主人公・三島貴瑚(きこ)は、家族との関係に深い傷を抱えた女性です。
幼い頃から、
- 家庭の中で居場所を失い
- 助けを求めても聞いてもらえず
- 「声を上げること」をあきらめてきた
そんな過去を背負ったまま、貴瑚は東京を離れ、海の近い町でひとり静かに暮らし始めます。
そこで彼女が出会うのが、母親から「ムシ」と呼ばれ、虐待によって言葉を発することができなくなった少年でした。
少年は、殴られているわけでも、目立つ傷があるわけでもありません。けれど
- 存在を無視され
- 名前を呼ばれず
- 人として扱われない
という、静かで深い虐待の中に置かれています。
貴瑚自身もまた、「苦しい」「助けて」と言えなかった過去を持つ人間。
声を出せなかった大人と、
声を奪われた子ども。
二人は、互いの事情を深く語ることもなく、
少しずつ、少しずつ距離を縮めていきます。
この物語が描くのは、
派手な救出劇でも、奇跡のような逆転でもありません。
誰にも届かなかった声が、
たった一人にだけ、ようやく届くまでの時間。
「存在しているのに、気づかれなかった人たち」の再生を描いた物語です。
- 三島貴瑚(みしま・きこ):本作の主人公。幼少期から家族との関係に深い傷を抱え、「助けて」と言えなかった過去を背負っている。
- 少年(ムシ):母親から名前を呼ばれず、「ムシ」と呼ばれて育った少年。無視・否定による虐待の結果、言葉を発せなくなっている。貴瑚からは「52」と呼ばれる。
- 岡田安吾(アンさん):貴瑚が移住先で出会う年配の男性。
- 牧岡美晴(まきおか・みはる):貴瑚の数少ない心を許せる親友。
- 村中真帆(むらなか まほろ):貴瑚の移住先の家を修理にきた職人の男性。貴湖に好意。
- 新名主税(にいな・ちから):貴瑚の初めての恋人となる職場の上司。
- 琴美(ことみ):少年の母親。
- 品城(しなぎ):琴美の父で少年の祖父。老人会会長。元校長。
おすすめポイント
① 不幸を“消費”しない描き方
虐待や孤独といった重い題材を扱いながら、
この小説はそれを
- 刺激的に
- 残酷に
- 過剰に
描きません。
読者を泣かせるためではなく、
「その人の人生」として丁寧に描くから、
読んでいて嫌な疲れが残らないのです。
② タイトルと物語が、きれいにつながっている
『52ヘルツのクジラ』という比喩は、
物語を読み進めるほど、自然に腑に落ちてきます。
説明されすぎないのに、
読み終えた頃には
「このタイトルしかなかった」と思える。
これは、かなり強い余韻を残します。
③ 読みやすい文章とテンポ
- 一文が長すぎない
- 会話文が自然
- 感情を“説明”しすぎない
重いテーマ=読みにくい、ではありません。
むしろ、静かにページが進む読みやすさがあります。
読後感|読み終えたあと、どんな気持ちになる?
ここが一番気になるところだと思います。
✔ 読んでよかったと思える?
思えます。多くの人がそう感じるタイプの作品です。
ただしそれは
「スカッと爽快!」ではなく、
ちゃんと向き合ったから、受け取れた希望
という種類の「よかった」です。
✔ さわやかな気持ちになる?
一般的な意味での「さわやか」ではありません。
でも、
- 後味が悪くない
- 嫌な感情を引きずらない
- 心が濁らない
雨上がりの、少し明るくなった空
この感覚がいちばん近いです。
✔ 余韻に浸れる?
はい、とても。
読み終えたあと、
- 登場人物のその後を想像したり
- 何気ない瞬間に思い出したり
静かに、心の中で物語が続く余韻があります。
✔ わだかまりは残る?
嫌な意味でのモヤモヤは残りません。
ただし、
「世の中は簡単には変わらない」
という現実的な余白は残ります。
それが、この物語の誠実さでもあります。
この作品は、感情をえぐるというより「静かに寄り添う」タイプの物語、雨上がりの少し明るくなった空のような読後感で、静かに息ができる優しい物語です。
実際、私はオーディブルで、声として聴いたことで文章以上にやさしく届いたと感じました。
活字で読むのがしんどい日でも、
耳からなら受け取れる──そんな一冊です。
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どんな人に向いている?
こんな人におすすめ
- 重いテーマでも、救いのある物語が読みたい
- 派手さより、静かな感動が好き
- 読後に考える時間がほしい
- 本屋大賞系の作品が合う
あまり向かないかもしれない人
- とにかく明るく爽快な話を求めている
- テンポ最優先のエンタメが好き
まとめ|迷っている人へ
『52ヘルツのクジラたち』は、
- 暗くするための物語ではなく
- 説教するための物語でもなく
「誰かの声に、耳を澄ませる物語」です。
泣くかもしれません。
胸が苦しくなる場面もあります。
それでも最後には、
「読んでよかった」と、静かに思える。
そんな一冊です。
もし今、
「重い本は避けたいけど、ちゃんと心に残るものが読みたい」
と思っているなら、
この本は、きっと合います。
・じっくり味わいたい人 → 紙・Kindle
・感情の波をやさしく受け取りたい人 → Audible
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