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【読書記録】村田沙耶香著『コンビニ人間』感想「古橋さんの言葉にめちゃくちゃ共感してしまいしました。」

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読書記録_コンビニ人間_アイキャッチ

村田沙耶香著『コンビニ人間』を読ませていただいた感想および読書記録です。

『コンビニ人間』はこんな人におすすめ!
  • 聴きやすくて面白い小説を探している人
  • コンビニで働いたことがある人
  • 村田沙耶香の本を読んでみたい人
  • 普通って何?と疑問に思っている人
記事のポイント

現代社会の縮図のようなコンビニを舞台としたちょっとグロテスクでくすっと笑える物語。普通に就職、結婚できないコンビニアルバイト店員36歳女性が主人公です。そんな主人公にいっぱい共感してしまった自分がちょっと怖くなりました。オーディブル聴き放題対象作品です。

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書籍情報と読書記録

著者:村田沙耶香さん

1979年8月14日生まれ、千葉県印西市出身の小説家。玉川大学文学部芸術学科芸術文化コース卒業。

小学校在学中の10歳の時に執筆を開始し、2003年に『授乳』で第46回群像新人文学賞優秀作を受賞しデビュー。2016年には 『コンビニ人間』 で第155回芥川龍之介賞受賞している。

実際に村田さんは、執筆時にコンビニで週3回働いて働いていたとのこと。『コンビニ人間』の英訳版は世界30か国以上で出版され話題になり、イギリスBBCが選ぶ2020年最高書籍、米雑誌『ザ・ニューヨーカー』が選ぶ「The Best Books of 2018」にも選出、国際的にも非常に高い評価を得ています。

他の著書に『マウス』『消滅世界』『地球星人』『世界99』など。

書籍情報

文藝春秋
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単行本、文庫本

村田沙耶香さんの小説『コンビニ人間』は、文學界 2016年6月号(文藝春秋)にて発表されました。同年7月に文藝春秋から単行本として刊行されました。その後、2018年9月に文春文庫から文庫化されています。

電子書籍

電子書籍はKindleほか各種電子書籍配信サイトにて購入できます。

オーディオブック

オーディオブックはオーディブルにて2018年1月16日から配信されています。単品購入価格は3,000円(オーディブル会員価格2,100円)です。

ナレーターはタレントの大久保佳代子さんです。淡々とした朗読が作品世界と合っていて、とてもいい朗読になっていると思います。大久保さん自身は「実は8回くらいクスッとくるのを狙いました。ぜひ聴いてみてください!」[1]と語っています。

配信サイトオーディブル
著者村田沙耶香
ナレーター大久保佳代子
再生時間3時間42分
配信日2018/1/16

[1]:大久保佳代子が「コンビニ人間」朗読したオーディオブック、原作者も「素敵な声」 – お笑いナタリー

読書記録

わたしは2024年6月にオーディブルの聴き放題で初めて聴きました。

その後 ebookjapan で電子書籍を購入し、何度か再読しました(オーディオブックで気に入った作品は電子書籍を購入することがい多いです)。

『コンビニ人間』のあらすじ

36歳の古倉恵子は、大学時代から18年間、同じコンビニでアルバイトを続けている女性。子どもの頃から社会の「普通」にうまくなじめず、他人の感情や行動を理解できない彼女は、コンビニのマニュアルや同僚の口調を真似することで、ようやく「普通の人」として振る舞っている。

そんな中、コンビニに新人として白羽という中年の男が入ってくる。彼は社会不適合者でありながら「普通の人間」を見下す皮肉屋だった。問題行動を起こしコンビニ店員を首になった白羽と古倉恵子は、お互いの利害のために奇妙な同居生活をはじめる。

「普通に生きるとは?」「社会に適応するとは?」等を改めて考えさせられる。

『コンビニ人間』の主な登場人物
  • 古倉 恵子(ふるくら けいこ):主人公。36歳の独身女性。大学時代から18年間、同じコンビニでアルバイトを続けている。ものごとを合理的に考える。
  • 店長(てんちょう):古倉さんが働く18年続くコンビニの8人目の店長、30歳。自分が体を動かして働くタイプ。古倉さんを「長年の戦力」として頼りにしており、仕事ぶりを高く評価している。
  • 泉(いずみ):古倉さんが働くコンビニのアルバイト女性。37歳の主婦でバイトリーダー。少し性格はきついが、きびきびとよく働く。
  • 菅原(すがわら):古倉さんが働くコンビニのアルバイト女性。24歳で声が大きい明るい女の子。バンドのボーカルをやっている。
  • 白羽(しらは):古倉さんが働くコンビニに入ってきた新人アルバイト男性、35歳。ひょろりと背が高く身長は180cm超。

『コンビニ人間』の感想

『コンビニ人間』は、「普通」とは何か、社会に適応するとはどういうことかを問い直す、現代社会の縮図のようなコンビニを舞台とした寓話です。

主人公・古倉恵子とは?

36歳で未婚、就職せずにコンビニでアルバイトする古橋恵子という女性は、周囲の人々にとっては奇妙で「普通」ではない存在に見え、家族も大いに不安を感じていました。

古橋恵子は幼い頃から奇妙がられる子供でした。小鳥が死んだら「これ、食べよう」と言ったり、男の子が取っ組み合いのけんかをしているのを止めるためにスコップで頭を殴ったり「正常な感覚が分からない」子だでした。

本人に悪気はありませんでした。鳥が死んだんだから唐揚げにして食べよう。スコップで殴ればけんかを止められるという合理的な判断をしたつもりだったのです。

当然ながら周囲には理解されず、家庭や学校といった場では、ずっと浮いた存在で、社会にうまく適応できず、「普通」がわからない異質な存在とみなされてしまいます。

しかし古橋さんは普通になれない自分、普通がわからない自分を「こんな自分じゃダメだ」と自己否定せずに、こんな自分がどうすれば周りを不安にさせずに、自分らしく生きていけるかを純粋に考えていました。そういった意味で彼女はとても強い女性だと思います。

そして大学時代にコンビニでバイトを始め、マニュアル通りに働けば「普通の人間という架空の生き物」を演じることができるようになったのです。

そのときはじめて古橋恵子は「世界の正常な部品の一部」になれたのでした。

以来、彼女はコンビニの店員というアイデンティティに誇りを持っています。彼女の言葉はとても力強く、筋が通っていて明快です。彼女は「普通の人」ではありませんが、そんな自分を否定せずに自分を貫く強さを持っています。

普通とはなにか?

古橋恵子は「普通」ではない、おかしな人間なのだろうか?『コンビニ人間』を読むと「普通」とはなんなのか?疑問を持たざるをえません。

たしかにわたしたちは「普通」であることを求められています。普通に就職し、普通に結婚し、普通に子供を産んで生きていくことが正しい生き方であるという。

それは「世界の正常な部品の一部」になること。

かつて星野鉄郎は、惑星メーテルを構成する生きた部品(ネジ)になるのを拒否しましたが、古橋恵子は世界の
部品の一部になることを望みました。

彼女はコンビニ店員になることではじめて世界の部品になることができたのです。

「世界の正常な部品としての私が、この日、確かに誕生したのだった。」

『銀河鉄道999』では「惑星メーテルを構成するネジ」になることは、自由意思を奪われることの象徴として描かれていました。『コンビニ人間』では「世界の部品の一部」になることで、古橋恵子は救われたのです。

白羽の主張

白羽は「普通」への同調圧力に息苦しさを感じ、そこから逃げ出したいと思いながらも、「普通」に生きることが出来ない古橋さんを「人間の屑」だと罵倒する。非常に自己矛盾を抱えた存在です。

白羽は全てを他人のせいにし、自分と向き合おうとせず、常にネガティブです。最低の人間、最低の男です。

しかし、こんなことを言ったら大ひんしゅくを買うと思いますが。わたしの中の屑の部分は、白羽の考え、言動にとても共感してしまいます。白羽の言ってることも最もだなあ、白羽がそうするのもわかるよ!と思ってしまいます。村田沙耶香さんは、男の本音の部分をよくわかってらっしゃると思うのです。

白羽は言います。普通の生き方からはみ出た人は、こちら側ではないあちら側の人間、「異常」な人として排除され淘汰されます。それは縄文時代から変わらない人間社会の本質だと。

世界を受け入れて「普通」を演じるのは苦しいけど、世界を否定する強さも持っていない。だから白羽は古橋恵子を見下して都合のいい道具として扱おうとします。社会から逃げるため、自分を批判する人たちからの隠れ蓑として。

古橋恵子はそんな白羽の矛盾に気づきます。

『コンビニ人間』の普遍性

わたしには、「普通」ではない古橋さんと共通する部分がたくさんあります。だから古橋さんの言葉にめちゃくちゃ共感してしまいしました。

例えば

皆、変なものには土足で踏み入って、その原因を解明する権利があると思っている。

これは、本当にそう思います。ご近所付き合いとかこの極みです。実際に兵器で土足で踏み入って来る人の多いこと。そんなときは本当に不快で腹が立ちます。

実際

普通の人間という皮をかぶって、そのマニュアル通りに振る舞えばムラを追い出されることも、邪魔者扱いされることもない

のです。

人は普通じゃない人、異質な存在をみると不安になるのだと思います。その気持はわたしにもわかります。異質な存在は理解できないから不安になるのです。

だから仮初めでも理解してもらうことは重要です。

変な人って思われると、変じゃないって自分のことを思っている人から、根掘り葉掘り聞かれるでしょう? その面倒を回避するには、言い訳があると便利だよ

人付き合いが普通に上手な人なら、あらかじめ先手をうって、自分の中のちょっと普通ではない部分をうまく説明できるのです。そうするとこの人ちょっと変わってるけど、まあ大枠では「普通の人」の範疇に入れてもらえます。でも自分はそういう説明も苦手です。

なんとも息苦しい世の中です。

こういう問題は、非常に日本的な問題のようにも感じますが、『コンビニ人間』をアルメニア語に訳した翻訳家は、「コンビニ人間の登場人物をアルメニアの名前にしたらアルメニアの物語になる」と語ったそうです。『コンビニ人間』が世界中でベストセラーになっている現状を考えると普遍的な世界共通の問題と言えるのかもしれません。

古橋恵子は最後まで自分を貫くことにより、ついにコンビニ人間として生きていくことを決意します。彼女のこの強さこそがこの物語の魅力でもあります。

『コンビニ人間』を無料で聴く方法

オーディブルでは『コンビニ人間』は聴き放題対象です。初めての方は、無料体験を利用すれば無料で『コンビニ人間』を聴くことが出来ます。

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まとめ

現代社会の縮図のようなコンビニを舞台としたちょっとグロテスクでくすっと笑える物語。普通に就職、結婚できないコンビニアルバイト店員36歳女性が主人公です。そんな主人公にいっぱい共感してしまった自分がちょっと怖くなりました。

オーディブル聴き放題対象作品です。大久保佳代子さんの淡々とした朗読が主人公にすごく合ってます。

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